電子マネーはFinTech(フィンテック)なのか?
さて、セバスチャンから質問を受けましたが、ずばり塾長が答えると
プリペイド式の電子マネーはFinTechのようでいてFinTechではないです!
何度も言ってるようにFinTechという造語だけが一人歩きしてしまい、境界が極めて曖昧で、お金と情報通信技術が絡めば何でもFinTechに絡めてしまうことが出来てしまいますが、仮想通貨と違う、いわゆるnanacoやSuicaなどの電子マネーはそれ自体で取引のやり取りが出来ないという点で塾長はFinTechには含めません。
どっちかというと商品券の性質に近く、つまりそうなると図書カードとかもチップを内蔵すればFinTechということになってしまうでしょう。
たとえば、ユーザー同士でSuicaやPASMOのポイントをやり取り出来るでしょうか?
「俺のPASMOに1000円入れといて!」「オッケー!ほい!」
ということが出来るでしょうか?
現状、別のユーザーにポイントをチャージするためには、本人から一回カードを借りるなどしたうえで現金を使わないといけません。対してPayPalや、あとBitcoinなどの仮想通貨は、現金を使わずにネットワーク上にてポイントの授受が可能です。
また、FinTechの革命的な点は、既存の貨幣やシステムの手を離れて金銭をやり取りすることです。
それは中央集権的な仕組みではなく、分散的で柔軟で、中央集権的な仕組みを打破する概念です。
しかし現状、日本における電子マネーは既存の大手企業が顧客を囲い込んでいて、横断的な流通が実現されていません。素人がもし電子マネーで決済できるシステムを作りたいと思っても、専用端末の導入など膨大な設備投資が必要になってしまうため、なかなか新規参入が難しいです。APIの公開が相次ぐFinTechとは大違いです。
電子マネーは、もちろんシステム導入による決済の迅速化、簡便化という意味ではテクノロジーとの融合ですが、現状「一社独占的」かつ「ハードルが高い」仕組みであり、日本独自で流通しているこれらの電子マネーは、FinTechの理念とは対照的ともいえる産物なんだと思います。
さて、次からはIOTを見ていきましょう。