【塾長が斬る!】Fintech(フィンテック)とIoT(アイ・オー・ティー)part 3 電子マネーはFinTechか?

電子マネーはFinTech(フィンテック)なのか?

セバスチャン
塾長!早速だけど質問いいかしら?PayPalがFinTechっていうのは分かったけど、日本には昔から立派なFinTechが沢山あるんじゃないの?それが「電子マネー」よ!WAON, nanaco, Edyで楽々お買い物〜、電車やバスに乗るときはSuicaやPasmoでスイスイ〜。これこそICTと金融のミックス、FinTechよね♪

さて、セバスチャンから質問を受けましたが、ずばり塾長が答えると
プリペイド式の電子マネーはFinTechのようでいてFinTechではないです!

何度も言ってるようにFinTechという造語だけが一人歩きしてしまい、境界が極めて曖昧で、お金と情報通信技術が絡めば何でもFinTechに絡めてしまうことが出来てしまいますが、仮想通貨と違う、いわゆるnanacoやSuicaなどの電子マネーはそれ自体で取引のやり取りが出来ないという点で塾長はFinTechには含めません。
どっちかというと商品券の性質に近く、つまりそうなると図書カードとかもチップを内蔵すればFinTechということになってしまうでしょう。

セバスチャン
ガーン、そ、そんな……。自信があったのにあんまりだわ。

たとえば、ユーザー同士でSuicaやPASMOのポイントをやり取り出来るでしょうか?
「俺のPASMOに1000円入れといて!」「オッケー!ほい!」
ということが出来るでしょうか?
現状、別のユーザーにポイントをチャージするためには、本人から一回カードを借りるなどしたうえで現金を使わないといけません。対してPayPalや、あとBitcoinなどの仮想通貨は、現金を使わずにネットワーク上にてポイントの授受が可能です。

また、FinTechの革命的な点は、既存の貨幣やシステムの手を離れて金銭をやり取りすることです。
それは中央集権的な仕組みではなく、分散的で柔軟で、中央集権的な仕組みを打破する概念です。
しかし現状、日本における電子マネーは既存の大手企業が顧客を囲い込んでいて、横断的な流通が実現されていません。素人がもし電子マネーで決済できるシステムを作りたいと思っても、専用端末の導入など膨大な設備投資が必要になってしまうため、なかなか新規参入が難しいです。APIの公開が相次ぐFinTechとは大違いです。
電子マネーは、もちろんシステム導入による決済の迅速化、簡便化という意味ではテクノロジーとの融合ですが、現状「一社独占的」かつ「ハードルが高い」仕組みであり、日本独自で流通しているこれらの電子マネーは、FinTechの理念とは対照的ともいえる産物なんだと思います。

セバスチャン
完膚なきまでに叩きのめされたわ〜。塾長って理屈っぽくて性格悪いわね。。。

さて、次からはIOTを見ていきましょう。